クリスマスの秘密

ねーメーテルぅ、誰かが999号に靴下干してる。

「違うわ、鉄朗。あれはクリスマスにはサンタさんが靴下にプレゼントを入れてくれるっていう言い伝えをオマージュしているのよ」

どうしてクリスマスブーツじゃないの?ぼく、お菓子の方が好きだよう。

「それはね、鉄朗。クリスマスブーツは日本で作られたもので、世界的に知られたものではないからよ。滋賀県の近江商人が発案したって言われてるわ。世界を目指す銀河鉄道999は世界標準に従うのよ」

でもね、メーテル。クリスマスってキリストのお誕生日のことでしょう。どうしてサンタクロースが関係するの?

「そ、それはオランダの方のお祭りが伝わったって聞いてるわ」

あ、12月5日のシンタクラース祭のことだね。シンタクラースはスペインから蒸気船でやってきて、白馬に乗って良い子にプレゼント配るんだよね。で悪い子は従者のズワルトピートに袋詰めされてスペインに連れていかれちゃうんでしょ。

「そ、そうね」

11月の中頃にはアムステルダムやフェーン、全蘭各地で到着パレードが開かれてテレビ中継されてるもんね。このお祭りがアメリカにオランダ移民を通じて広がったんだよね。さすがメーテル、よく知ってるね。

「も、もちろんよ」

で、その後シンタクラース祭で配られるプレゼントとクリスマスでやり取りされるプレゼントの習慣、一緒にしてもいいんじゃね、ってことになってクリスマスにサンタさんがプレゼント配ることになったんでしょう?
ただサンタさんが今のような姿に統一されたのはコカコーラのCMからって言われてるよね。

「…」

あれ、メーテルどうしたの?

「見てごらんなさい鉄朗、一面赤と緑のクリスマスカラー」

あー、赤は十字架に架けられたイエス・キリストの流した血、緑は常緑樹に代表される永遠の命や力強い生命力を表してるんだよね。常識だよね。

「鉄朗、うぜー」

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