迷ったらあじさい

日が翳るとちょっとひんやりな日。
あてもなく、プラプラとはしる。
湾岸から居留地へ。


昔の建物が好き。
行き先に迷う人生の迷子。

こういう時は先人の教えに従う。
「人の世に道は一つということはない。道は百も千も万もある」
坂本龍馬は役に立たない。
「お前の道をすすめ、人には勝手なことを言わせておけ」
ダンテもちょっとねー。
「自分の道を進むものは誰でも英雄です」
ヘッセいいことを言う。
そうだ、ぼくはオムライスが食べたい。
「この道より我を生かす道なし。この道を歩く」
武者小路実篤の言葉に押されて、元町のL’Amiへ。
時刻は1時半。大丈夫かなー?
到着。大丈夫じゃない。店頭に行列。お昼に並ぶなんてやなこった。
パンナコッタ。
あーもーいー。じゃああそこ。
迷ったらアジサイ。


年配のおばさまの砦。ただいつもぼくが入る時はなんか空いてる。ぼくの後にバタバタ入ってくる感じ。
サインをねだられたらいう言葉は決めてある。
「今日はプライベートなので」
いつもプライベートです。
サインをするのはクレジットカードの支払いと宅配の受け取りだけです。

メニューは見なくてもオーダーは決まってる。


アフタヌーンティー1,400円。昔は3桁だったのになぁと思いつつ、お得感はさして変わらない。
サンドイッチはハム抜き玉子増量を聞いてくれる優しいお店。
選べるケーキはチョコレート。
このテカリには勝てません。


紅茶ポットサービスで3杯、差し湯をもらってさらに2杯。
小説読みながら幸せな午後。

「道っ!この道を行けばどうなるものか。
危ぶむなかれ、危ぶめば道はなし
(中略)
迷わず行けよ、行けばわかるさ。
ありがとー」
心の師 アントニオ猪木。