佐渡一周エコジャーニー

お目覚めは4時。
スタートの早いウルトラのレース当日にしては遅い朝。
スタート場所がホテルの前だからね。
朝ごはんを食べホテルを出ると、「にゃんたさん(仮名)」と声がかかる。
去年同室だった人。その人のほかに2人が今回も同室だそう。
「にゃんたさん(仮名)、エントリー遅いんだよ」
大会への参加申し込み順に、ゼッケン番号も部屋番号も決まるシステム。
でも、遅いってもぼく23番なんだけど^^;
全員参加の記念撮影の後に、並ぶでもなく一緒に走るメンバーとかたまる。
今回一緒に走るのはお馴染みnancyとM崎さん。
M崎さんは、ぼくが初めてウルトラを走った富士五湖から何度となく走っている仲間。最近はトライアスリートとして目覚めてしまったのであまり遊んでくれないのだけど、久しぶりに一緒。
話してるうちに、周りが動きだす。スタート時間を過ぎたようだ。
ゆるゆると走り出す。
台風が近づいているとはいえ、影響はまだそれほど感じないが、空気はしっかりと水分を含んでいる。
コース沿いに見える景色は去年と同じ景色。ごつごつと切り立った岩影に最初は魅了されるがすぐ飽きる。
前に進むために走る。
10kmを超えたあたり。
後ろのnancyから声がかかる。
「すごいよ、ずっとタイムが変わらない。いつ見ても一緒」
へへん、ぼくだってキロ7分半越えるくらいなら、一定に走れるんです(^^)
甘酒を振舞ってくれる売店で、ハイドレにジュースの補給。
走り始めたら、ハイドレの具合が変。吸っても吸ってもでてこない。
nancyとM崎さんが見下ろす状態で座り込んでハイドレ引っ張りだしてなんだかんだしてたら、通り過ぎるランナーがみんな心配して声をかけてくる。
みんな優しい。大丈夫。怪我したわけじゃないから。

一旦直ったものの、この先も不調を繰り返すハイドレちゃん。何回目かで諦めてペットボトルを持つようにする。
走る。エイドは大体40kmに一ヶ所くらい。1日目は2ヶ所。2回とも公民館みたいなとこで座敷に上がって出来合いのお惣菜セットとおにぎり、ウドンに飲み物。
前に座った女子2名の会話。
「飲んでる?あたし去年は2日間で19缶ビール飲んじゃった」
「あー、あたしもそれくらい」
ばけもの(^ ^;

走る。道路の標識。
「大野亀まで37km
両津港まで52km」(だっけな)
両津港が本日のゴール(仮眠所)なんだけど、こんな標識いらない。見せるならもうちょっと近づいてからにして(^ ^;
走る。大野亀通過。
去年と同様、道横のレストハウスで生ビール飲みながらカレー食ってるダメ人間な人たち。今年は悔しいので、素通りせずソフトクリームを食べていく。
走る。M崎さん不調。振り返るとついてこれない回数が増える。
「にゃんた、先行ってくれ。待たれるほうが辛い」
彼が自分のペースを持っていることをぼくは知ってる。初めてのウルトラのレースで止められるまでリタイアしなかった強者であることも。
「仮眠所出るとき、メッセージ入れといて」
言い残し、nancyと先に出ることにする。
走る。海越しに両津港の灯りが見える。
ここからが長い。
道路の標識「両津港まであと20km」
標識を越えて一歩。
「あと19km台」声に出す。
nancy「あたしもそう思った」
走る。
両津の町に入る、アーケード。自販機で休憩。この先に今日の仮眠所「寿月館」がある。去年はここから先の道がよくわからず通りかかったお姉さんをナンパした。今年は大丈夫。
2人とも道はわかってる。
わかりづらい左折をかわして、あとはまっすぐ。ただこのまっすぐが長い。心配になるくらい長い。
道に灯り。「みなみ旅館」
ここは違う。
nancy「着いたー」
え、違うよ。ここはみなみ旅館って書いてるじゃん。
「えー、寿月館って書いてみなみって読むんじゃないの」
お前、それ去年も言った。
も少し走って無事到着。到着は20時半。去年はここではしっかり休憩して仮眠とったほうがいいよとの同室の人の声に騙され(まぁ、実際それもアリなんだけど)到着21時で出たのが朝の5時。再スタート時の玄関の靴の少なさに愕然としましたが、今回の計画はここを1時間で出ること。第4エイド以降の山道を極力明るいうちに通りたい。

つうことで、食事したらちょっとのんびり9時40分スタート。
次の第3エイドまでの道はひたすらまっすぐ。迷うことはない。
ただ民家のある場所を過ぎると照明はほとんどなくなり、真っ暗な道をヘッデン点けて走る。
黙々々。
風が強さを増す。近づく台風か。かなり強い向かい風。それでも走る。
黙々々々。
午前2時を過ぎる。眠くって走ってらんない。
走りながら眠れそうな場所を探す。
トンネルみっけ。ここでいーや。ウインドブレーカを着込み、倒れこむように2人して仮眠。
30分の休憩。再度走る。お、足が回復してる。
陽気に走る。心の中でサンバ(^^)。でもまだ眠い。
第3エイド到着は4時前。ここには公園に小さなテントが一つとブルーシートが何枚か直に敷いてあり、仮眠を取ることができる。エイドのおじさんに申告「仮眠したいんですけど」
「今、テントの方は人入ってるから車使って」
ワゴン車を開放してくれた。シートをいっぱいに倒して快適。1時間後おじさんにお礼を言ってスタート。
走る。しっかり寝たと思ったのだけど、走り始めたらまだ眠い。足元がふらつく。
とても7歩歩いて「天上天下唯我独尊」とは言えないくらい(Byお釈迦様)
次のトンネルで再度仮眠30分。
文句言わないで付き合ってくれたnancyに感謝。
ほんとは仮眠所で2時間くらい寝たほうが良かったのかもしれない。
走り出すと今回は会長(違)快調。
設定通りのペースで20kmほどを走る。第4エイドを迎える前に少し賑やかな小木の街を抜ける。
ここでソフトクリーム。
M崎さんから携帯にメッセージ。仮眠所到着21時半で1時間後に再出発とのこと。
思ってたより事態は全然深刻ではなかったらしい。メッセージの着信が4時だから「もしかしたら車で寝てる間に抜かれちゃったかもしれないね」と話しながら走る。
第4エイド。12時前には到着。去年は到着6時でちょうど夕暮れを迎えここから先はずっと闇の中だった。
それを思うと、今回は超楽勝、気分は上々。
と書けばこの先の展開はわかる。
最後のエイドをスタートして2kmくらい。峠に差し掛かる前の寂れた海沿いの道。
「去年は全然海沿い走ってる意識がなかったよねー」とか言いながら走ってると、突然の腹痛。
え、なに?そして便意。
え、まずい。どうしよう。この辺に公衆トイレなんてない。
第4エイドまで戻ろうかな。
とりあえず「下痢止めストッパ」投入。
それでも止まらない。
nancy「あそこに工事現場があるけど、トイレなんてないかな」
ないだろー、フツー。よく知らんけど。
決断しかねるまま先に進むが事態はますます深刻になる。
オープンエアーやむなしか。
工事現場に差し掛かる。
トイレは...
あった!鍵もかかってない。なんて幸せ。
人はやっぱり心がけだなー。
トイレットペーパー、洗浄水完備。
ありがたくお借りして、感謝の気持ちに100円置いて出てきた。
走る。峠道。去年こんなところ通ってたのかよ。そそり立つ壁。
越える。海岸線に降りる。走る。
歩道のない350号線は、去年より車の通行量が多くて少し怖いがそれは当たり前。
去年この辺通ったのは深夜だったもんなー。
残すとこ20kmくらいで最後の街を出て、オンロードの山越え。あれ、このレース、オフロードの道はなかったっけ(^^;
街から山へ向かう道、気持ちよく走っているとお馴染みの幻。
お神輿が並走してる。
目をそらすと見えないが、意識を向けると見えてくる(多分)僕にしか見えていないお神輿が威勢よく走っている。
あー、はいはいという気持ちで走る。
最後の山越えの道。ここは去年並走してくれた人のおかげで(その人は幻じゃなくって(^^;迷ったりした気が全然なく、油断してたのだけど、地図を手にしたnancyが結構悩んでいる。
先行していた人や追いついてきた人たちと一緒に恐々走る、というか歩く。
ここから先は歩くでいい。何回かの暗闇を抜け、地名に悩まされ、黒猫に励まされながら…
ゴール。
39時間10分。雨に悩まされることもほとんどなく、無事平穏にゴールしました。
M崎さんはその後45時間くらいでゴール。
お疲れ様でした(^^)

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