鯖街道ウルトラマラソン

日曜日は鯖街道ウルトラマラソン。
チャレンジ富士五湖、赤間関街道が終わった後のご褒美レース。
72kmで制限時間11時間は楽勝でしょう。
たまにはこういうレースも無くっちゃね(^^)
普段、事務局からの強制でもなければ持たないスマホも持参。
いっぱい写真とろ。
お土産に焼き鯖一本も貰えるし、富士五湖を共に闘ったフジちゃんを「きっと楽しいよ」って
誘って出ることにしました。

どうしてこんな風に思ってしまったのかよくわからない。
予習は全くしていない。風光明媚な土地でのお気楽マラニック。
完全にそう信じてた。
距離に比べて長い制限時間はやっぱりそれなりに理由がある。

「あれっ?」って思ったのはスタート会場から。
スタート位置はウエーブ制。ま、そこそこ人数も多いみたいだし、集まった順番にスタートね。
上がるプラカード、そしてアナウンス。
第1ウェーブは3時間20分まで、第2ウェーブは3時間20分から40分…
え、そんなにガチなの?

ちゃんと予習してきているフジちゃんに叱られながら、第2ウエーブに並ぶ。
キロ7分半くらいでダラダラと、という提案はもちろん却下される。
「しっかり走らないとゴールできないよ」
わかりました。心を入れ替えます。
ということで写真は封印。写真を撮ったのは鯖街道の入り口だけ。

そうはいっても、歴史の長い鯖街道。
他の皆さんは心の余裕がある。
背中に鯖を背負っている人多数。生鯖はこの時期危険なのかほぼ作り物。
前日、受付脇の即売会場でフジちゃんが「サバありませんか?」って聞いてた理由がやっとわかった。
フエルトの手製の鯖をリュックに下げてる女性もいました。走りながらクルクルさせています。
表は銀、裏は赤。何だろうと思ってよく見るとサバの半身でした。

キロ6分を少し上回るくらいのペースで走り続けて6km過ぎあたり。かなり急な坂に差し掛かったのでここは歩いていいよねって思ったら、励ましのお言葉。
「山に入ったら歩けるから」
「え、ここはまだ山じゃないの?」

そして鯖街道の立て看板。最初で最後の写真撮影。
ここからが山。「え、トレイルじゃん」
この期に及んでトチ狂うぼく。だってシューズはロード用だよ?
結局そのままで、合計すると25km、累積標高差1,800mのトレイル区間を走ることになるのでした。

山道はシングルトラック。油断するとすぐスタックしそう。多分後ろには550人ほど。
プレッシャーに負けないよう、頑張って上る。上りは気合で何とかなるが下りはそうもいかない。
愛想よく、道を譲りながら下る。
たまたま前を下る女性。やはり少し下りは苦手なのかキャーキャー言いながら走ってるのが聞こえて微笑ましい。
この人とは途中何度か前後する。
フジちゃんが話しかけている。「背中の鯖、可愛いですね」
鯖を3匹背負っている。
「この子たちに京都に連れて行ってあげるって約束したから」
えーと…(^^;
とはいえ、この人鯖街道3回目だそう。歴戦の猛者である。
きっと来年は4匹の鯖を背負うのでしょう。

一つ目の山終了。
まだ残り2つ。暗い気分になりそうだが、それどころではない。
山と山の間はロード。
一緒に走るフジちゃん、ほっておくとどんどんスピードを上げる。このままだとついていけなくなって寂しい思いをするので
前に出て、抑える。怒られないくらいのスピードで走る。
道端で手を振っている男性。
あ、エイドだね。
「トイレはこちらを左に曲がって。エイドはこの先1.3km」
け。まだかよ。おまけに小数点以下までつけて教えてくれた距離は嘘だった気がする。
しばらく走ってエイド。
でも、冷やし素麺美味しかった

走る道端には茅葺の家。何だかとってものどかな感じ。
山の形も日本昔ばなし。
きっとこの辺のお宅にお呼ばれしてご飯いただいたらテンコ盛りなんだろうなと思う。

次の山。実はまだ名前も知らない。
1つ目が大変だったから、次はきっとそれほどでもないよ。
根拠もなく自信を持ってフジちゃんに話す。
それほどでもあった。
いつまでたっても上り続け。いい加減にしてください。
かなり上った。一生懸命上った。
ので下り。1つ目よりは道幅も少し広めで走りやすい。
後続の人様のご迷惑にならないように一生懸命下る。
前を走ってた人の一人前がずるずると落ちてきて、間が詰まる。
足元が見えなくなったところに、突起物。
つまずいて、あわやと思われましたが立ち直りました。
あとでフジちゃんに「あれは危なかったねー」って言われたので「だって前の人の幅が広いんだもん」
っていったら「毒舌」って叱られた。

3つ目の山。トレイルに入った途端泥道。
雨が降ってたわけでもないだろうし、なんかわからないところから水が流れてくる。
多分自分を見失った川でもあったのでしょう。
正面からバイクが3台。
申し訳なさそうに通り過ぎるが、下はガレ場。
石が飛んできそうで怖かったのだけど、あの人たちはどこからきたのでしょう。
「バイクで来れるくらいだからそんなにキツい道じゃないんだよ」
フジちゃんはそう言いますが僕は信じません。
もしかしたら国際レースを控えた、いづれ名のあるライダーがお忍びで山籠り中なのかもしれない。
結果は7:3くらいでフジちゃんの勝ち。
それなりではあるけど、それほどでもないトレイルでした。

上りきった後は、ロードの下り坂が延々と。ちょっと、いやかなり嬉しく先のこと考えないでぶっ飛ばし。
鞍馬(クラマと読む。鞍馬天狗がお住まいだったところ、多分)に入るとそこはもう観光地。
人々の好奇の目にさらされながら、エイドでご休息。
冷やしぜんざい美味しい。かき氷美味しい。キュウリもトマトも美味しい。
ここまで頑張ったんだもん。後はもうのんびりでいいよね。
13kmのウイニングランだよね。
許してくれない人が1人。

鴨川到着。後5km。
後は河原をのんびりと…
あ、はいはい。わかってます。

立ちふさがる人を次々と抜いていく。
粘る男性。ペースが上がるフジちゃん。ブーブー言いながらついていくぼく。
ちぎれる男性。後方にさようなら。

オレンジ色のTシャツの女性。フジちゃんが抜いて、引き続き僕も抜いたところで、立ち直る。
再度抜き返して、僕たちの前へ。
そのまましばらく縦列で。
文句を言い続けるぼく。
なだめるフジちゃん。
「ぼくを置いて先に行って」
「頑張ればきっといいことあるから」
「絶対ない」
ここで、ぼくの帽子が飛ばされる。風強かったのよ。本当に。
不可抗力です。後ろの人が拾ってくれた。ちょっとストップ。
ここで、オレンジさんとは少し間が空いてしまったけれど、残りは1kmちょっと。
ここくらいは猫だって一生懸命走ります。
で、ゴーーール。

完走賞の焼き鯖1本をもらって、その場にひっくり返るぼくとその脇にフジちゃん。
そこに近づいてくる1人の女性。オレンジ色の人。
「ありがとうございました。おかげで頑張れました。頑張ればきっといいことあるって聞こえてました」
「すごいですね。よく頑張りましたね」
見つめ合うフジちゃんとオレンジさんはさながら項羽と劉邦。
「絶対ない」ってぼくが言ったのは聞こえてなかったことのようです。

さて帰ります。京都駅までは京阪とJRの乗り継ぎで。
5時半くらいには京都駅にはつけそうだったので、5時半以降出発の神戸行きの電車を確認しておきます。
タイミングが悪いのか、表示されるのは各駅停車。結構時間がかかりそう。お家に着くのは8時過ぎかな。
京都駅到着。フジちゃんと別れて乗り換えのホームへ。時刻は5時29分。目の前に新快速。
超ラッキー。とっとと帰れて、7時前にはおうちについてました。
フジちゃん、いい事あったよ(^^)

記録:72km 9時間14分47秒

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