飛騨高山ウルトラマラソン

飛騨高山ウルトラマラソン。
なんとか、身体と折り合いをつけて走るも、みんな自己主張強いので大変。
暑いのでシャツが汗吸って重い重い。
鎖帷子のかわりになりそうです^^;

あ、今回は転びませんでした。

記録:12:18:57

飛騨高山ウルトラマラソン日記
副題:高山が野辺山より楽だなんて誰が言った

飛騨高山ウルトラマラソン。
スタートは100km一班4:45、二班5:00、72km5:15のウエーブスタート。
僕は一班。荷物預けをしてから整列場所に向かう。
意外と早く集合場所に着いたので、結構前目の位置に並ぶ。
ボーっと並んでいると、「にゃんたぁ」と整列場所の横の土手から声がかかる。
きりさんだ。きちすけさん、美貴さんもいる。
手を振って答える。きりさんは二班。きちすけさんは72km。

すこしして、後ろから女性が開いている場所を探して、人の間を
縫うように入ってくる。結局僕の前のあたりであきらめたように並ぶ。
顔は見えないけど、スタイルよくて、ショートパンツに膝にテーピング。
結構本気の人なんだなぁと思う。
ハンドカメラを持った人が、列の向こう側から「すいませんね。手際が悪くって」
とかその女性に言っている。
そっか、そういえばランスマの撮影やるっていってたっけね。
その人なのかなぁ。

スタート。
スタートからは下り坂。走り出してしばらくして時計を確認すると、4分台半ば。
ちょっとはやいなぁ。ただ周りが落ち着くまでは、しばらくそのスピードを保つ。
坂を下りきって5分弱。
「暑さが心配ですね」大きい独り言だなぁと思ったら、件の女性が併走するカメラにしゃべっていた。
3.5kmを過ぎたあたりから、高山の古民家を抜ける。この頃には人も少しばらけて来ていたので、5分半くらいに
落とした。女性は、スピードを保ったまま走り去りその後二度と会うことはなかった(^^;

さて高山ウルトラマラソン。野辺山ほどはきつくないからって事前に何人かから聞いてたし、実際スタートライン
に並んでるときも、そういうことを連れに言っている人がいた。
ベスト出るかなー、とへらへらした気分で走る僕。
とはいえ、累積標高は野辺山2080m 飛騨高山2100(2ちゃん調べ)
公称では野辺山1500、飛騨高山2700
この事実を真剣に考えておくべきだった(^^;

まだあけ切らぬ朝の太陽の下で吹く風が心地よい。
快調なペースで飛ばす。
街中の商店街を抜ける。沿道からの声援が絶えない。
ここで感じたのは、この街が生きているってこと。
商店街もシャッター通りではなく(まぁ朝なのでシャッターは閉まっているのだけど、ずっとそのままじゃない
気配がしてる(^^;、応援する人もお年寄りだけではない。
生きている街に朗らかな人達。整然とした街並みに、古風な家屋。
1時間も走らないうちにこの街が大好きになった。

街を抜けて、田園風景の中を走る。
民家というより農家の軒先に立った女性が声援をくれる。
心からのありがとうを言葉にして返す。
20kmのエイドを前にして、太陽は本気を出して照りつける。
体調不良はこのあたりから。まずは眠気。
富士とは違って今回はよく眠れたはず。
目をしぱしぱさせながらエイド。ちょっと休んで走り出す。

ちなみにこのエイドが飛騨朝日村。
残念ながら出してくれたおにぎりの何割かが傷んでいたというところ。
でも、ぼく食べてない(^^;
ほぼ10km毎のエイドステーションでは豊富に食べ物の種類や量が提供されていて
ここでは確かよもぎうどんとアンパンをいただいてたから、おにぎりまで食べられなかった。

走り始めてしばらくすると、今度は眠気と熱射の合わせ業で攻めてくるぼくの身体。
頭がボーっとしてきた。
くらくらする。マジでリタイアを考えるその1。

道端の田んぼのポリバケツから水があふれているのが見える。
源泉かけ流し(^^)
顔を洗って、キャップを水で浸してかぶる。
瞬間、生き返って走り始める。
走る。
上り坂の始まり。再びの眠気。
何度か我慢するが、我慢するのがいやになったので、川の欄干に腰をかけて目をつむる。
さて、熟睡してやろうとおもうが、人のいいランナーたちがゆるしてくれない。
「大丈夫ですか」
「がんばりましょう」
次々と声がかかる。
しょうがないので走る。

眠気と戦いながら、コース最高地点1345mまでの上り坂。
上り坂なら上ってだけさえいればよいものを、頻繁に下って上るので累積標高がどんどんかさむ。
斜度も野辺山の悪魔、馬越峠に引けをとらない。
これは走れないだろう。まだ前半ではあるが、秘技100歩いて100走るを使う。
コース最高地点前にエイド。
ここでも豊富な食料。
「甘酒ありますよー」の声。
いやいや、アルコール摂取は(^^;
「アルコールはいってませーん」
そうですか。ではいただきます。
ようやく眠気がさめてきた。
コース最高地点を越えたら、くだり。
機嫌よく走り始めたら…肩から胸にかけて痛みが響く。
マジでリタイアを考えるその2.エイドにもどろうかな。
でも痛いけど、これはなんとか想定内。
あらかじめ先生に言って、消炎剤の塗り薬をもらっている。
痛みも麻痺させてくれる。
普段は使わないようにしているこの薬、今日だけは盛大に使ってよいことにする。
塗りたくって走る。
峠を下ってまた上り。この区間、ぼくの身体は痛みも眠気もないゴールデンタイムに入っていたので、
一歩一歩小幅で走って上る。歩いているおっさんから声がかかる。
「お兄ちゃん、よくがんばるなー」
ありがとーございまーす(^^)
「でも本番は、60kmの千光寺だよ。ぐふ」
いやな笑い方をされた(^^;
60kmの千光寺。迫ってくるような坂。
おっさん正解。こりゃ厳しい。
壁のような坂。手を使っても良いですか?(これは嘘)
秘技が通用しない。100歩いても100走りきれない。
しょうがないので秘技2号 40歩いて40走るを使う。
坂を上りきると、階段。
ここは走って通り抜けた。
階段の上の境内がエイド。ほっと息をつく。
ここでは、なに食べたっけ?
覚えてないけどオニギリ食べて具合悪くなった人いたら言ってねって張り紙があったのは覚えてる。

エイドをでて坂を下る。
はずだったのに、さらにのぼり?
聞いてないよーって言いたかったが質問もしてないからこれもしょうがない。
秘技2号で走り、上ったら下る。
下り坂のおかげで距離だけはすすむ。消炎剤か頑張れる程度の痛みで済むよう、おとなしくヘロヘロと走る。
下り坂がおわる。時計を確認する。
ここまで結構時間がかかっている。
実は13時間以内に帰らないと、電車の時間がちょっと怖い。
80km地点でほぼ10時間。残りをキロ9分で走ったら10kmで1時間半。20kmで3時間かかる計算になる。
エイドの時間抜き。まずいなあ。
心を入れ替え、真面目に走ることにする。てけてけてけ。
かなり真面目にキロ6分台。
90km過ぎてののぼりは辛い。

93kmでエイドステーション。
ここでは飛騨牛の串焼きを出してくれるがもちろんぼくは食べれない。
差し出された串を丁重に御断りしたら、「じゃあ、隣食べてって」って言われた。ご丁寧にどうも、と思って隣りを見たら猪汁だった。
「え、それもダメ?じゃあ隣り」
お汁粉だった。白玉たっぷり。美味しく頂きました(^^)
さらにお隣で、きゅうりとアンパンの皿を2人のお姉さまが持っている。
ボランティアの親父さんが声高に宣伝する。
「塩分補給に、きゅうり。食べてってねー(^^)」
ここでお姉さまBよりクレーム。
「ちょっと。アンパンも宣伝してよ」
親父さん、ふたたび叫ぶ。
「塩分補給にきゅうりとアンパン。食べてってねー(^^;」
それはちょっと違うと思う。

走る。同じくらいのスピードで走る赤いシャツ。前になり後ろになり。
並走する区間ではなしかけてくれる。
「それ、宮古島ですか?」いいながら、誇らしげに自分の胸のあたりをつまむ。
あ、ぼくとおんなじだ。
思わずハイタッチ(^^)
しばらく、一緒に走ったがぼくがついていけなくなった^^;

最後の給水エイド。エイドの人が誉めてくれる。
「もう、ほとんど100km走ってきたんだねー。あと2.5km。頑張って」
いやだ。頑張りたくない(-“-)
優しくされると付け上がるぼく。
ここで、リタイアして記録より記憶に残りたい。
マジでリタイアを考えるその3...というわけではない(^^;
「そんなこと言わないで。頑張ってよー」
そうですかぁ、じゃあ。
ポカリ冷たくて美味しかったです(^^)

しぶしぶ走る。ゴールの前に坂。
一生懸命上る。酸素が足りない鯉のように、でも首に負担をかけないように、顎を引いて。
そしてゴール。終わったぁ(^^)
タイム12時間19分。あ、野辺山より遅いや^^;
高山が野辺山より楽だなんて誰が言った!!

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