宮古島ワイドーマラソン

1月17日。降水確率80%。
「今日は一日中雨です」という開会式のあとにスタート。スタート時の雨は小降り。
まずは来間大橋を目指す、とはいえ、今回は渡らないはず。
暗がりを走る。風の音が変わる。ん?この風は海の風。
橋渡っていいの?結構行くね。もしかして…あ、なんだ、やっぱり折り返し。でもかなり行かせてくれたね。
走りたかったところなので、ちょっとうれしい。
橋を終わると再び暗闇を走る。雨が強くなる。

走る。マクドナルドの辺り、道の誘導。こちら側に入ってください。進む。
がつん。痛い。
膝より少し低いくらいの円筒形のクルマ止めに、思い切り向こう脛をぶつけた。痛さにしゃがみこむ。
通り過ぎるランナーの「大丈夫ですか?」に「大丈夫じゃないよー」と答えたまましばらくうずくまる。
ただ触ってみるとなんとなく骨に異常はなさそう。足を引きずりながら走り始める。応援の叔母さんから声がかかる。
「わいどー。いってらっしゃい」
そう、まだあと85kmほどある。

走る。痛みはやがて忘れる。雨が上がる。そして今回初登場の伊良部大橋。
全長3,592m。往復すると、7kmにも及ぶ。
高低差もすごいはずなのだが、外はまだ暗闇。見えないので、あまり気にならない。風が強い。伊良部島に向かう風は橋を渡るランナーの背中を押す。
楽勝じゃん。でもまぁ飽きるなぁ、不埒なことを考える。
前を走る人の蛍光ライトを追いながら走る。
折り返し。少し明るくなってきた。橋の全貌が見える。なに、この壁。
風は向い風となる。宮古島に帰ることを許さないように、猛烈に吹き付ける。まっすぐに進めない。右前方に足を踏み出すくらいでちょうどよい感じ。斜に構えて走る(^^;
渡りきる。そろそろ夜明け。
光は雨を追い払い、暖かい陽射しがさす。いいペース。向こう脛の痛みも忘れ、淡々とキロ5分半を刻む。
見えてくる池間大橋。大好きなこの橋を陽射しの下で走れるのは嬉しい。わたる。渡ったところで40kmの標識。ガーミンを見る。3時間58分。あれ?期待してたほどではないな。距離を見ると42.8。うーん。去年は1kmほど短かったみたいだから、今年はきっと大盤振る舞い。
サービス過剰です^^;
行きは追い風、帰りは向い風。わかりやすい環境で、一生懸命走る。
橋の向こうのエイドから、こぼれたブラストカップが坂を登りふきよせられる。
走る。
46kmの大エイド。
ぜんざいでお腹いっぱい、ゆし豆腐が食べられなかったのが、今も悔しい。

大エイドを越えたあたりからは人がばらけて、一人旅となる。
合わせるように、雨が再び降り始め、徐々に強さを増す。もうこれぞ南国といった感じで強い雨。風があるので少し寒いが、ぼくの雨装備は帽子だけ。次回はカサとホッカイロを忘れないようにしよう。
これだけ雨が強いと、エイドの人も大変。容赦なく吹き付ける雨にふるえながら、リクエストベースで、飲み物を入れてくれる。
「何にしますか?」
「コーラ。水割りで」
やけくそで答える^^;
後半戦を迎えると、坂の上り下りの繰り返し。もう何度も来ているのだから、覚えてりゃ良いものを、坂を上りきった向こうにまた坂が見えて、絶望に苛まれる。
酷くなる雨は、ここでもアトラクションを用意してくれていた。坂の上から流れて落ちてくる水、もはや川。坂下ではくるぶし辺りまで水に浸かる。ここだけは歩き、あとは靴の中をバシャバシャさせながら走る。
坂の上からドイツ村が見える。ようやく坂の繰り返しの終わり。そしてゴールが近づく。ドイツ村の前を抜けると、あと5kmの標識、そして1kmごとにカウントダウン。この辺りからラストスパートをかけたいところだが、ちょっと足に相談する。
「行ける?」
「やだ」
そうですか^^;
ただ、本当に力が入らない。
だらしないなぁと思いながら、あと、3km、2km、1km。
最後にゴールの前に人がいないのを確認して、しょうがなくスパート。
しょうがなく、でもニコニコとゴール。
その後いただいた豚汁が暖かくて美味しかった。もちろん豚さん抜きで(^^)

記録:11時間14分28秒

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